ねぇサソリ…

今貴方は何を思う?

同じ夕日を見てる?

ずっと側に居るって約束したのに…

そんな簡単な約束が一番難しかったね…

ねぇサソリ…

私は貴方が――



【the setting sun】
          Vo7

「具合はどうだ?」

「あ、神様…もう大分平気ですよ!」

「そうか…」

「?どうかしました?」

「いや…お前に伝えるべきか…」

「…良くない事ですか?」

「………サソリが里を抜けたようだ」

「…そう…ですか」

「今、俺の部下がサソリを探している」

「サソリを見つけたら…どうするの?」

「勧誘する」

「勧誘?」

「あぁ」

「神様…いいにくいけど、それは無理だと思う…」

「?なぜだ」

「サソリは宗教とか信じないから、神様のコトも信じないと思うの…」

「いや、宗教の勧誘に行ったわけでは無い」

「え?違うの?」

「お前にも時期が来れば話そう…」

「は…はぁ…(宗教じゃなかったらなんなんだろ…)」



私が神様に保護(?)されて早くも2ヶ月が経っていた。
その後の砂の動向とか、詳しい事は分からなかったけど
何か大きな動きがあれば神様が教えてくれていた。

「(神様って名前無いのかな…聞いてみようかな…)

本当は私も神様なんて信じていないから
神様なんて呼ぶのもおかしな話なんだけど、
それ以外の呼び方を知らないから
仕方なしに呼んでいたりして…

私がじーっと見ていたので、
神様もじーっと見てて、
なんだか目が離せなかった。

「あの…神様?」

「なんだ?」

「神様ってお名前ないんですか?」

「あるぞ」

「じゃぁ、教えてくださいよ…神様って呼びにくい」

「…ペインだ」

「ペイン?」

「そうだ」

「ペインさん?」

「なんだ」

「なんでずっと見てるんですか?」

会話の間もずっとお互いの目は合ったまま
なんとも気まずい。

そもそも、こんなに長時間誰かを目を合わせている事なんて無かった。
小さなため息と共に一呼吸置いて神様改めペインが部屋を後にする。

ペインが出て行って窓の外を眺めれば
さっきまで降ってた雨が止んで
綺麗な赤い夕日が空を照らしていた…


「サソリ―」


夕日の赤い色はサソリを思い出して…
遙か彼方の故郷を思い出して…


ポタ


気が付けば涙が止まらなくて、


「お母さん…」


忘れかけていた言葉が口から溢れてくる…


「一人は寂しいよぉ…」


サソリも一人なのだろうか…

同じように夕日を見てるのだろうか…


懐から少し色の変わってしまった鶴を取り出し

帰れない故郷を思い、

離れてしまった里を思い、

逢いたいと願うサソリを想い、

ただただ、

涙が流れていく。